ボクガール

2014年9月1日 読書
ボクガール
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ボクガール
コミックス1~2巻までの感想。もちろんネタバレとか含む。


ポップな表紙に魅かれて久しぶりのジャケ買い。
今まで散々ジャケ買いで失敗してるので実はあんまり期待していなかったけど、読んでみたらすごく面白くてハマってしまった。

簡単にストーリーを説明すると、
男らしい男でありたいと願いながらもその顔立ちから女の子に間違われがちな主人公・鈴白瑞樹が、イタズラの神・ロキに見出され、ある日不思議な力で本物の女の子にされてしまう。偶然事実を知った幼馴染・一文字猛 と協力しながら、元に戻る方法を探ししつつ、片思い中の女の子・藤原夢子とラブコメしつつ、女の子の体に戸惑いつつの高校生活を描いた作品。


ネット上の感想を端読みしていったところ、いわゆるTSF(性転換モノ)においては王道的なストーリーらしい。こんなマイナージャンルにも王道とかあるんだ…。


ともかくこの漫画の一番の魅力は、なんといっても主人公の瑞樹ちゃんが可愛さ。
元々中性的な顔立ちで唇がぷるぷるしく描かれている彼だけど、女になってからはその影響なのか仕草まで妙に色っぽい。お風呂に入ったときに周りに女であることを気づかれないようタオルで前を隠すのだけど、前を隠しながらお湯をかぶる様子をみた他の男子がモンモンとなったりする。その他にも無意識な色気がちょくちょく出るシーンがあって、ロキのいたずらで心の一部も女にされてる可能性はあるけど、子供のころからぬいぐるみ好きだったり元々素養は合ったのかも知れない。男の娘の素養ね。
表情の変化もすごく豊かで、藤原さんの反応に一喜一憂する一途な瑞樹君も応援したくなるようないじらしさがあるし、自分が女の子であることをふと自覚して狼狽える表情なんかもすごく良い。そんな様子を見てロキがゾクゾクしながら喜んでたので、ある意味このロキがいちばん読者目線に近いキャラなのかも。


他の登場人物との関係性も面白い。
例えば主人公の友人・猛は友達思いでやさしく、瑞樹にとしては自分を男して接してくれるかけがえのない存在。
ところが、瑞樹が女になってからは、ちょくちょく異性として意識させられて、友達としての関係と異性としての関係との中で葛藤していく。瑞樹が前々から女っぽい自分の見かけにコンプレックスを持っていることを承知しているだけあって、その悩みは結構大きい。
逆に、瑞樹の方はといえば全く平然としたものなので、男として意識されなさ過ぎることについて猛が複雑な表情を浮かべるシーンがある。
今後巻数を重ねるごとに友人同士の関係がどう変化していくのかすごい楽しみ。

そういえば瑞樹が猛の前で服を脱いだのを猛に咎められたのに対し、いや男どうしだろ?とさらっと流すシーンがあった。
実際に起こりえないから確かめようも無いけど、反応としてはそっちの方がリアルなのかな?なんかこういうパターンって、女になった側も恥ずかしがるイメージあったけど。。


瑞樹と猛についてはそのときの心情が文字として表記されるので分かりやすいけど、逆に藤原さんの方の心の声は文字で書き起こされず表情とかで汲み取ってくださいって感じ。
藤原さんが猛に思いを寄せているようなそぶりを見せて、それに気づいた瑞樹が一度落ち込んだのち、「いや、でもハッキリ決まったわけじゃないから、僕にもまだチャンスはあるはずだ。もっと男らしくなれば振り向いてくれるはず。」と気を取り直すシーンがあるけど、このあたりの瑞樹の心の動きはすごく共感しやすい。読者を瑞樹の片思い目線に持っていくための仕掛けなのだろう。


この手の漫画って、設定を食いつぶしていきながらどんどんパワーダウンしていく印象があるけど、ボクガールは登場人物同士の関係性やキャラの内面が変化していくのを楽しみに出来るので今後も読み続けたい。


銭湯回に出てきた子供のギャグ顔をマギで見たような気がしたけど、元々大高忍のアシスタントだったんだね。納得。


他にもいろいろ言いたいことあるけど書ききれないから、今回はこの辺で。


あ、でもいくらなんでもエビフライと大縄はあざといと思いました。

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